【完】立花くんは愛し方を間違えてる。



「疲れてんだよー……、いいだろ、ちょっとくらい」



ちょっとって……

ち、近すぎない?



……まあ、結構まじめに整理してくれてたみたいだし、許してあげようかな。



なんだか意外と1週間経つの、はやかったなあ。




「……案外、はやかったな。1週間」


「……!」



ビ、ビックリした。

今一瞬、心を読まれたのかと…。



「う、うん。もう今日で終わりだね!」


「嬉しい?」


「え? まあ、そりゃ……」



「俺は結構楽しかったけど。この1週間」




───え?



近すぎるせいで顔が見えない。


今、立花くんは、どんな表情をしてるんだろう。



いつもみたいに、意地悪な顔?


それか、楽しそうに笑う顔?


それとも、珍しく照れた顔?





「わ、わたしも───…」




「にぁおう」




「……。成田、なに変な声出してんの?」



「わ、わたしじゃないよ…!」




でも、確かに今、変な声がした…よね?



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