【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
4.となりの席《じゃない》立花くん。
新学期が始まってから、約1ヶ月が過ぎた。
そして今日は待ちに待った……
「せ、席替えだ……!」
やったー!! と叫んで教室中を走り回りたいところだけど、まあできるわけもなく。
チラリと隣の席を見ると、立花くんは少し機嫌が悪そうにしていた。
……お腹でも痛いのかな?
ま、触らぬ神に祟りなしっていうし、気にしないでおこう。
「おーい、左端の列やつからくじ引きに来い」
帰りのHRで教壇に立って誘導しているのは、
ゴリちゃん先生。
何を隠そう、ゴリちゃん先生はわたしたちの数学担当の先生でもあり、副担任でもある。
担任の先生が今日はお休みで、ゴリちゃん先生が代わりに仕切ってるんだ。
「はい、次この列のやつー」
あっ! わたしも引きに行かなきゃ…!
席を立って先生のもとへ行き、簡素なクジが入ったボックスに手を入れ、クジを引く。
───《16番》か。
黒板には座席表が書かれていて、そこにはランダムで振り分けられた番号が一緒に書かれている。
16番の席は、ちょうど真ん中の右寄りの席。