【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
うーん。悪くはないけど、微妙だなぁ……。
「成田、おまえ席どこになった?」
「えっ」
突然声をかけられ、びっくりして思わず持ってたクジを落としてしまった。
あっ……。
それを拾ったのは、他でもない
───立花くん。
「ふ〜ん。16番、ね」
チラリとクジを見てから、「ん」と、突き返される。
「あ、ありがとう。……そういう立花くんは? 席、どこになったの?」
「今から引きに行くんだよ」
「そ、そっか……」
頼むから、5番と24番だけは引かないでくれ〜!!
黒板の表を見ると、16番の両隣は5番と24番になってる。
立花くんがどちらかを引いてしまったら、終わりだ……
また悪夢のような生活が延長になっちゃう。
頼む頼む頼む!
わたしが必死に拝んでいると、「成田」と小声で誰かがわたしを呼ぶ声が聞こえた。
だ、誰だろう?
顔を上げるとそこには……
「ゴ、ゴリちゃん??」
「まあ話を聞いてくれ。いい話だ。ちょっと大きい声では言えないんだがな……」
ヒソヒソと声を潜めて話す先生。