【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
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「で、結局隣の席は誰なのか分かんないんだ〜?」
翌日の朝一番。
新しい席についたわたしは、席替えで運良く前の席になった花鈴とお話中。
「そうなの。立花くんじゃなければ誰でもいいんだけど……」
「あははっ、くるみってば正直。
そんなこと言ってると、また聞かれちゃうよ?」
ゲッ!!
花鈴のその言葉に、咄嗟に周囲を見渡すけど、そこに彼の姿はなく。
わたしはホッと胸をなでおろす。
「成田さん?」
「……え?」
そのとき。突然誰かに声をかけられて振り向くと、
そこには、クラスメイトの梶亮太(かじ りょうた)くんがいたんだ。
梶くんといえば、爽やか系イケメンとして有名な男の子だ。
フワッとした栗色の髪、色白な肌、優しそうなタレ目。
た、たしかに爽やかだ……!
「俺、ここの席なんだ。よろしくね」
「え……」
「きゃー! そこの席、梶くんだったんだ〜! よろしく!! あたしは、ここだからっ」
「はは、相田さん朝から元気だね。よろしく」