【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
隣の席……梶くんだったんだ。
わたしの席は窓際で、必然的に片側しか隣がいない。
ってことは。ってことは……!!
これは、立花くんからの解放を意味する……!!
「や"っだよ、がりん"〜っ」
「何泣いてんの、くるみ。そんなに梶くんの隣が嬉しかったの?」
「え……?」
花鈴の冗談に反応して、梶くんが少し赤くなっていたことに、
このときわたしは全く気がつかなかった。
だって、もう立花くんに授業中教科書見せないでいいのかと思うと……
ちょっかいかけられて、先生の話を聞き逃すことがなくなるのかと思うと……
(あれ……?)
そこまで考えたとき、わたしはとある
"別の考え"
が頭の中に浮かんできたことに気がついてしまった。
───隣の席じゃなくなったら、
わたしたちって、もしかして、
関わることもなくなるんじゃないかな?