【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
もともと、住む世界が違うような人だ。
それに今までだって───
……ってあれ?
いま思うと、
わたしって1年生のときずっと、立花くんの隣の席……だった…?
過去の記憶を思い起こすと、いつだって隣にいるのは立花くんで。
えっ? えっ?
そんなことってありえる?
確かに最初は出席番号順だから必然だった。
でも席替え以降は、偶然……?
「……くるみ?」
「…はっ! ご、ごめん。何でも…ない」
「くるみってたまに、トリップするよね」
呆れ顔の花鈴に、はは、と笑ってごまかす。
だって、これってやっぱりおかしいよ……!
偶然にしてはできすぎてる!
今まで何で気づかなかったんだろ……
立花くんにいじめられすぎて、感覚がマヒしてたのかも。
「よぉ、成田」
……ハッ!!
このいじわるがにじみ出てる声は!
ナイスなタイミングで立花くんが登校してくる。