【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「お、おはよう、立花くん」
「……てかおまえ、なんでここにいんの? あっちの席じゃなかったのかよ」
「……そ、それは……色々あって、この席に」
「……はぁ? ……チッ」
……聞きました? みなさん。
頑張って挨拶したのに、スルーだし。
しかも、いま完全に舌打ちしましたよね?
わたしがこんないい席だからって、妬んでるのかな。
ご機嫌ななめな立花くんはちらりと梶くんのほうを見ると、威嚇するような視線を送ってる。
なんか、全く関係のない梶くんに飛び火が……
「そ、そういう立花くんは? 席どこだったの?」
「……あそこ」
「あそこって……え、ええっ?」
あの席って、わたしが16番のクジのままだったら隣になってた席だ…!!
ってことは、わたし、ゴリちゃん先生にクジ変えてもらってなかったら、また立花くんと隣の席だったんだ!
もしかしてわたし、呪われてるのか……!?