【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
そう思って前を向くけど、なんだかんだ視線が気になって集中できるわけもなく……。
───立花くんさえいなきゃ、わたしはここでふつうに授業を受けていたはずなのに。
……でもそう思うと、少し不思議なんだよね。
立花くんは、かっこいいからよく目立つし、わたし以外の人には基本優しいみたいだから、けっこう好かれてるみたい。
だから、普段、"目立つグループ"のひとたちと一緒にいる立花くんとは全然話さないし、声すらかけづらい。
そんな立花くんが、全然目立たないわたしなんかにこんなちょっかいかけて、なにが楽しいんだろう。
それが、人気者の道楽?ってヤツ??
(なんにせよ、ほんと立花くんってよくわかんない……)
そろりと視線を横にやると、なぜか彼はまだわたしを見てて。
わっ!!と思わず声を上げそうになるのをこらえてバッと顔を伏せると、クスクスと笑い声が聞こえてくる。
「〜〜っ」
───きらいきらい! やっぱり、きらい!
立花くんのいじわる!!!