【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「残念だったね〜、立花くん。くるみと席が離れちゃって〜」
な、なに誤解招くような言い方してるの花鈴……!?
冗談交じりにからかうように花鈴がかけた言葉に対して。
不敵にフッと笑った立花くん。
「俺は別に。……成田、さみしくて泣くなよ? 」
「っ!?泣かないよっ!」
泣くもんか。
立花くんなんて、きらいだもん。
むしろ、せいせいしてる……
はず、なんだから……
───あれ、そうだよね? わたし?
「じゃあな」
それだけ言って、立花くんは自分の席へと戻っていく。
ていうか、わざわざ声かけに、ここまで来たの?
でもこんなのも、今日で最後かな。
もう席もこんなに離れたんだし……
もう、わざわざ遠くの席にまで来てちょっかいかけることも、ないよ…ね?
た、多分。
「ねえねえ成田さん」
悶々と悩んでいたら、隣の席に座っている梶くんがヒソヒソと声をかけてくる。
近くで見ても、さわやかオーラが半端ない。