【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「俺ね、実は昔から女々しい自分が嫌いでさ。戦隊モノとか、ヒーローとかに憧れてるんだ」
へ?
突然の梶くんの言葉に驚いて、わたしはとっさに返事ができなかった。
確かに、梶くんは他の男子とは違って、なんていうか、荒々しさ?みたいなのがなくて。
色白だし、優しそうだし。
それが"女々しい"とも言えるのかもしれないけど───
「で、でも、わたしはいいと思うよ……っ! 梶くんの、そういうところ。友達になりたいな、って思う!」
「……え?」
……ハッ!!
わたし、一体何言ってるんだろう。
いつもならこんなこと、絶対言わないはずなのに、なぜか口が勝手に……。
だって梶くんと喋ってるとなんか、安心するというか。
うまく言い表せないけど。
「ご、ごめんねっと、友達とか、急に馴れ馴れしくて……!!」
「な、成田さあぁぁん……」
「へ?」
ガシッと掴まれるわたしの両手。
いくら線の細い梶くんとはいえ、手の大きさは完全に男の子のそれで。
思わずドキッとしてしまう。