【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
その途中。
窓際に寄りかかって喋っている数人の男子が目に入る。
というよりも、目立つ集団だから、"目に入ってしまった"んだ。
あ……立花くんだ。
近くにいるときはそうも感じなかったけど、こうして見ると、やっぱりその立ち姿は様になる。
み、見つからないうちにさっさと通りすぎちゃおう……
やっかいな人たちと一緒だし。
でも、そう思ったその瞬間。
なんの神様のイタズラか、バッチリと合ってしまうわたしたちの視線。
ゲ……さいあくだ。
ここはとにかく急いで通り過ぎるしか!
パシッ
「……」
そう、思ったのに。
なぜか、足を動かせど動かせど、前には進まない。
なぜかって?
それは……
「な、なに……? 離して?」
「……」
立花くんがわたしの腕をガッチリと掴んでいるから。
少しくらい振りほどこうとしても、ビクともしない。