【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
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「くるみも大変だね、毎日毎日」
「立花くんもあそこまでよくやるよ〜」
お昼休み。
わたしは友達ふたりとご飯を食べながら、今日も立花くんの愚痴を聞いてもらっていた。
「だよねだよね!? おかしいよね、わたしだけ、あんなの〜〜っ」
もう分かってくれるだけでいいの!
ぶわっと泣きそうになるのを堪える。
「立花くんもまあ、分かりやすいってか……分かりにくいってか……」
そう呆れ気味に笑うのは、美人で姉御肌の西尾加奈(にしお かな)。
「でもさ、ほんっとイケメンだよね立花玲! くるみは不憫だけど〜」
そしてこっちが、明るくてお調子者の相田花鈴(あいだ かりん)。
「……花鈴は、わたしよりイケメンの味方するの」
「うーん、、や、ギリあんたの味方だよ、くるみ」
「ギリって何〜!?」
加奈ちゃんは中学のときからの付き合いで、花鈴1年生のときにできた友達。
そして実は、立花くんとも1年の時は同じクラスだったりもする……。