【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
そしてそのまま連れてこられたのは、
今の時間は誰も使っていない空き教室。
……え? なになに?
わたし、今からリンチでもされるの?
「……成田さぁ、」
「は、はい」
突然、口を開いた立花くんに思わず敬語で返事をしてしまった。
そういえば、話すの、久しぶりなんだっけ。
なんだかそう思うと、少し緊張してしまう。
「……俺と席離れて、せいせいしたか?」
え?
そう言っていつものように。
いや、また少し違うふうに、ニヤッと笑う。
「それとも、……さみしかった?」
は、はああ?
「さ、さみしくなんか……!」
ここまで言ったあと、言葉がつっかえて出てこない。
あれわたし、どうして。
最後まで、ちゃんと言えないんだろ……
「俺はさみしい」
だってそんな表情、ずるい。