【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
またどうせ、そのあとに「おまえをいじめられなくて」とかって続くんでしょ!
もう、その手には引っかからないんだからね!
……と、思ったわたしの予想は見事に外れ。
何も言わずにただこちらを見てくるだけで。
え、まさか本当にさみしかった……の?
そう一度考えてしまうと、カッと顔が熱くなり、なんだか急に恥ずかしくなる。
なんで、こ、こんなことに……。
「構わねーでやろうと思ったけど、やっぱ無理」
へ?
意味のわからないことを呟いたかと思えば、ふいに距離を詰めてきて。
気づけば、立花くんの顔がわたしの顔の真横に。
「仲いーみてぇじゃん。あいつと」
「あ、あいつ……?」
息が耳にかかってくすぐったいのは、絶対にわざとやってる。
あいつってもしかして……
「梶くんの、こと?」
「そう。そいつとは喋るのに、俺のことはシカトすんの?」
「し、シカトなんてしてないよ……!」
「しただろ、さっき」
「あ、あれは……」