【完】立花くんは愛し方を間違えてる。




わたしと立花くんの距離は一気に縮まる。



心臓が、変な音を立てる。


身体中の熱が一気に上がる。





「全部教えてやるから……
おまえの全部、俺に見せろよ。だめ?」





相変わらず、いじわるな表情は変わらないのに。


それは、どこか憂を帯びていて。



すこしだけ、色っぽい。






「……!」




───限界だった。



立花くんがそう囁いた瞬間、せき止めていたものが一気に溢れ出しそうになって。


わたしは気付けば、立花くんの胸元を強く押し返していた。




「なり───」




「ごっ、ごめんなさい……!! わたし、ちょっと、ト、トイレっ!!」



「はあ?」





呆然としている立花くんを押しのけて、わたしはダッシュで教室から飛び出した。



そもそもわたしが廊下を歩いてたのは、トイレに行くためなんだって〜〜!!


もう、我慢できない〜〜!



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