【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
5.立花くんと修学旅行。-班決め-
あの日。
立花くんに、"あんなこと"をされてから
わたしはどこか、
おかしくなってしまったみたいだ───
『全部教えてやるから……
おまえの全部、俺に見せろよ。だめ?』
ぼーっとしていると、いつもこのセリフが頭の中をリフレインしてしまう。
立花くんの、いじわるなのか、ただの冗談なのか、分からないこの言葉が。
た、立花くんのことなんて、考えたくないのに……!
離れろ離れろ、出てけ、立花くん。
6時間目が終わる、5分前。
わたしはまた、立花くんのほうを見てしまう。
わたしと隣の席じゃなくなった立花くんは、どうやらちゃんと教科書を持ってくるようになったみたいだ。
───やっぱり、わたしにしかいじわるしないんだ。
たまに、今の隣の席の女の子と話してるのを見るけど。
いじわるしてるのなんて、見たことないよ。
……ほかの子には、優しいくせに。