【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「梶くんさ、いつもあたし達とつるむのはいいけど、いい加減男友達も作りなよ〜?」
「はは……わ、分かってるよ…」
加奈に痛いところを突かれ、苦笑する梶くん。
でもそのとき、ハッと思いついたような表情をしたのに、わたしは気づいた。
「でもさ、一緒の班になりたい人ならいるんだ、俺」
「え? 誰それ? 男子なの?」
「うん。
───立花くん、なんだけど……。
頼んだら、この班に入ってくれないかな?」
「はぁぁぁっ……!?」
思わず声が出た。
だってここで、その名前が出てくるとは思わなかったんだもん。
そんなわたしの様子を見て何を勘違いしたのか、ニコリと笑った加奈が、
「くるみが言ってみたら? この班に入って欲しいって」
と、無理難題を押し付けてきたんだ。
か、かか加奈さん……!?
「な、な、なに言ってんの……わたしが言ったって来てくれるはずないよっ、ていうか、むしろ、もう他の班入っちゃってるよ、絶対!」