【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「……おまえが来なかったら、俺が行くつもりだったし……」
「え? なに? 騒がしくてよく聞こえな……」
「うるせ」
なぜか、いわれの無い悪態をつかれ、頭をこづかれ。
それ以上は、なにも言ってはくれなかった。
やっぱり立花くんは変だ。
「それで、おまえらの班は誰がいんの? いつもの3人組か?」
「あ、うん、加奈と花鈴と……それと、梶くんも」
「梶ぃ?」
と、明らかに嫌悪感丸出しの顔。
そんな顔、しないであげてよ。
梶くんは立花くんと仲良くなりたいんだよ。
「……立花くんは、梶くんのこと、きらいなの?」
「別に。なんとも思ってないけど」
「なら、仲良くしてあげて欲しいな……この修学旅行で」
「……」
私がこんなこと言うのは、おせっかいかもしれないけど。
でもなんか、梶くんが不憫だし。
「なんで、おまえがそこまで世話焼いてやる必要あんの?」
え?
待って。な、なんか……怒ってる??