【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「花鈴、もうケンカ腰で喋るのやめなよ」
「だってあいつが〜!」
いつも男の子(特にイケメン)には優しい花鈴が、めずらしく噛みついているから。
加奈がこそっと注意する。
「あんたが好きなイケメンでしょ?」
「あいつがイケメン〜!? 目腐ってんじゃないの! あいつとは風呂まで一緒に入った腐れ縁なの。…なのにあんなにチャラくなっちゃってさ!」
「そういえば花鈴って、イケメンでもチャラ男はNGなんだっけ……」
1年のときに確か言ってたような。
それってもしかして……伊武くんのことだったのかな。
「と、に、か、く! 気まずいのは分かるけど、仲直りして!ちゃんと!」
「うぅ〜〜」
「さ、さっさと行くよ」
加奈に引きずられ、花鈴がようやく歩き出す。
そんな様子を見ながらわたしは、ハハハと力なく笑うしかなかった。
一体、どうなるんだろこの修学旅行……