【完】立花くんは愛し方を間違えてる。
「成田さん、なんか大変なことになっちゃったね」
「梶くん!」
眉をハの字にした梶くんがそう言って、ため息をつく。
ん? 申し訳なさそうにして、どうしたんだろ?
「ごめんね、俺が立花くんと一緒になりたいとか言ったばっかりに……」
「え!? そっそんな……梶くんのせいじゃないよ」
「でもやっぱり、すごいよね成田さんは。 ちゃんと、立花くんのこと班に入れてくれてるし」
「ま……まあね……」
わたしが特に何か特別なこと言ったわけじゃないんだけどね。
なぜか、立花くんが入ってくれる気になっただけで……
「俺、めちゃくちゃ嬉しいよ! みんなと一緒な班になれて」
「……!」
"みんなと"かぁ……。
わたしと一緒なのも嬉しいと思ってくれてるってことだよね。
なんだかんだ、梶くんとはいいお友達になれそうだ。
ちょっと、人懐こすぎるけどね。
「うん、わたしも嬉しいよ!」
「おまえらさー、なに仲良くなってんの?」