君がもし変わっていても
「…ミサンガ…あたしがあげたやつ…でしょ?…なんで…そんなに変わっちゃったの?」
『てめーに関係ねーだろ。別に』
ギュッ
小鳥が俺の袖を強くつかむ。
「…教えて。前の翔はどこに行っちゃったの?こんなチャラい格好しないでさ!
なんでこんなになっちゃったの?!」
バンッ
翔が小鳥を壁に叩きつける。
『…は?逆にお前に何がわかるんだよ…
父さんは借金作って消えてそのまま離婚、
母さんと妹はそのせいでストレスで
どうかしちまうし、俺はサッカー選手に
なりたくて入った学校もやめさせられるし…
…好きな奴には意味わかんねー理由で振られるし。』
最後にぼボソっと力の抜けた声で言った。
『…こんなんいらねぇよ。』
といってミサンガを投げ捨て、去っていった。
行かないで…翔…
心の中で叫ぶけど、声にはならなかった。
今のあたしには何をすればいいのかわからない…
翔…大変だっただろうな…
何でそばにいてあげられなかったんだろ…