君がもし変わっていても


「…わわ、え、えっとすいません!!!」



何であたしが謝る…じゃ、なくて、し、翔君って人だよねぶつかったの絶対!!



目の前で倒れる男子にひたすら頭
をさげる。


『チッ…ちゃんとよけろっつの、うぜーわマジで、邪魔。』



え…待って…この声…
そう思って顔を上げる



「…翔…?」



『そーだけど?つか、呼び捨てすんなっつの…?』


向こうも顔を上げる。


どうすればいいのかわからなくて左手で髪をいじり始める。

この癖は翔だ。絶対。

でも…


髪は染めてるし、よく見ると耳もピアスの穴が空いてるし、制服だって着崩しまくってる…


『…もういいすか?何、俺が悪いって言いてーのか?』


いきなり怒りのこもった声に変わる。



「い、いや、す、すいませんでした!!」



走って自分の教室に戻る。


「ちょっと!小鳥!」


あんなの翔じゃない…
絶対違う…けど確かに…




『柊(ヒイラギ)ー!お前またやらかしたのか?』


『は?俺じゃねぇよばーか、あの女が勝手に騒いでたんだよ』


『先生に向かってどーゆー口聞いているんだお前は!』



『はーい、ごめんなさーい』

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