続 鉄の女には深い愛情を
この心地よい空間に睡魔が襲ってきて
ウトウトし始めると


「天 どうした? 眠いの??
こっちにおいで」


と言って、健夫の膝の上を指差した。


「……うん」


眠かったのもあるけど
健夫のニオイが嗅ぎたくて


健夫と向かい合わせになるように跨り
ギューーッと健夫の背中に手を回して
しがみついた

お母さんが子供を膝の上で抱いて
背中をポンポンさすってる光景があるでしょ。

そんな感じ。


健夫は多分、私は膝の上に来ないと思ってたらしく
ちょっとビックリしてたけど


すぐに背中に手を回してスリスリしてくれる


「俺のかわいい天ちゃん」


「なぁによ?
私のかわいいたけおくん…」


ビールのせいだろう
眠いのでうつらうつらしながら
健夫の胸に顔を埋めて
ニオイをくんくん嗅ぐ


「…天 ヤバイよぉ
めちゃめちゃかわいい。」


「…ん? そぉ?
ありがとう。…健夫のニオイ好き。
安心する… 今日は色々あって私疲れちゃったみたい……」


と言った途端
ガバッと健夫が私をひっぺがして
私の顔を見た


「そういえば!!
お前今日、変な野郎にキスされてなかったっけ??」


…え?


今それ言う??


ね ねむい…


「…ん? そんなことあった…かも」


と言いながらまた健夫の胸に
顔を埋めようとしたら


顔をガシッと掴まれて乱暴なキスが
ふってきた


「そのまま、寝かしてあげようと思ったけど ダメだ」


私の顔を両手で抑えての
荒々しいキス


健夫の舌が私の口の中を激しくおどる


もう少しで夢の中だった私の脳内も
一気に覚醒した


「…くそっ! 思い出すだけで
気が狂いそうになる…
オレのであいつの感触なんか忘れさせてやる」


「…うん。忘れさせて…
健夫」


私は健夫の首に手を回して
自分からキスをせがんだ。






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