フラワーガーデン
オレは半ば呆れつつ、テーブルの上に鞄を放り投げた。

「そう、むくれなさんな。昨日、ちょっと美味しいワインを手に入れてね。
ぜひ、君と一緒に飲みたいと思って呼んだのさ」

矢部先生は嬉しそうに腹を叩くと、ワインをテーブルに置いた。

「 『Romanee Conti 1978』って、先生!これ!100万円は下らないんじゃ……。

オレ、飲めません」

「まぁ、飲みなさい」

先生は栓を開けてコルクに染み付いた匂いを嗅ぐと、グラスに注ぎ始めた。

「高価なワインほど独りで飲むのは虚しいもんさ。」

先生は、嬉しそうに「かんばーい」と、グラスを持ち上げた。


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