フラワーガーデン
飛行機に続き、今度は誘拐なんて……。

「本当についてない」

僕は独り言を言った。

すると、男がちらっと僕を見る。

「んぁ?!なんか言ったか?坊主?」

男の目の周りはどす黒くうち窪んでいて、その動作は落ち着きがなかった。

何日もお風呂に入っていないと思しき髪は、顔や首筋に張り付き、油っぽくべたついていた。

やっぱり、クスリをやっているのかもしれない。

その証拠に男は目が乾くのかしきりに目を擦っていた。

< 402 / 1,750 >

この作品をシェア

pagetop