フラワーガーデン
「吐きたいって言ったの。車に酔っちゃったみたい」

「・・・・・・」

「ねぇ。車、止めて。吐きそう」

「・・・・・・吐けばいい」

「嫌だよ」

「俺は構わねぇさ」

僕はシートの下に沈みこみながら、

「本当に吐きそうなんだ」

と、再度訴える。

男は不気味なまでに無反応だった。

「うっ!!」

僕は吐き気を催すフリをして、口を押さえた。



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