フラワーガーデン
だけど、時折見たことがあった真剣なかずにぃの眼差しが今も私を見つめている。



……恐い。


いつも見せてくれる兄のような優しいかずにぃの顔とは違う。


とっさにかずにぃの腕から摺り抜けようとした瞬間、かずにぃにきつく抱き締められてしまう。


「ハルナ……好きだ」


潮騒の音にかき消されそうなくらい小さくかすれた声で、かずにぃが私の耳元で呟く。



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