フラワーガーデン
「トオル君、ピアノも弾けたんだね」

「遊び程度にね」

「そうなの?」

キレイな曲だった。

あんな素敵な演奏が遊び程度?

でも、トオル君はピアノを弾いているところをあまり見られたくなかったみたいで、鍵盤の上にフタをしてしまう。

「すごくさっき、弾いてたのって、なんて曲?」

「ショパンの夜想曲、ノクターンだよ」

「もっと弾いてほしいなぁ」

「寝れないんだったら、軽く体を動かそうか?」

「え?!」

彼の言葉に、どう反応していいのか分からず、動揺する。

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