フラワーガーデン
具合が悪いわけじゃないけど……

でも……

何となく……。

なんとなく、藤枝徹君と話してみたい。

「ごめんね」としきりに言っていた彼の心配そうな顔が浮かぶ。

「やっぱり、してみよう……電話」

ベッドに正座して、ドキドキしながら電話番号をプッシュ。

男の子に電話するのは初めてだから、上手く喋れないかも。

凄く緊張して何度も咳き込んでしまう。

「どうか神様。いきなり藤枝徹君が電話に出たりしませんように」

両指を組んで祈りつつも、でも、やっぱり訂正する。

「ごめんなさい。神様、やっぱり、藤枝徹君のお母さんがいきなり電話に出たりしませんようにの方にします」


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