フラワーガーデン
それから僕達は黙って釣りをした。

僕は何で殺されなきゃいけないんだろう。

ぼぉっと考え込みながら釣り竿を回していたら、糸が複雑に絡まってしまった。

Mr.アンダーソンは僕から竿を取り上げると、河川敷にどっかりと腰を下ろし、絡まった糸をほぐし始めた。

「少なくとも、今、殺されるわけじゃないよね」

「ああ。そうだな。これからもそうならないことを祈っているよ」

こんな物騒なことが冗談じゃないことは彼の静かな目を見れば明らかに分かった。

それでも、僕は不思議とMr.アンダーソンに安らぎを覚え、陽光煌く川辺で静かに釣りを楽しんだんだ。

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