フラワーガーデン
だけど、それは既に遅すぎたんだ。

突然、大きな破裂音と共に研究所の全てのガラスが吹き飛んだ。

「何が起こったんだ?」

動揺し、出口を求めて走り回る研究医達の間を縫って、僕は音のする方へと走った。

研究所の廊下という廊下は、怪我をした者、恐らく死んだと思われる者で溢れかえっていた。

阿鼻叫喚の地獄絵図がリアルなものとなって眼前に現れ、僕の足を捕らえ、動けなくする。

「トール!無事か?!」

「Mr.アンダーソン、これは一体……」

だけど、Mr.アンダーソンは何も答えてはくれない。

「階下の食堂へ行くぞ!」

僕は彼に襟首を掴まれて、引きずられるようにして階下へと走った。



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