フラワーガーデン
トオル君の指は、まるでピアノでも弾くみたいに優しく私に触れる。

彼の指に合わせて私が声を発すると、もっといい音を出させようとでもするみたいに彼の指が私の体を追求する。

あの夜、トオル君が弾いていたショパンのノクターンが、海の細波の音に乗って私達の元へと届き、二人を甘い時間へと誘って行く……。


彼は今にも膝が折れそうな私を支えると、ゆっくりとキスを交わしていく。


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