フラワーガーデン
ハルナの呼吸が速くなり、昨夜のような緊張感が走る。

僕は慌てて手を止める。

「ごめん……」
「トオル君……。ごめんなさい……」

君は急に顔を覆い泣き出した。

僕は風呂場を後にして、君の言ったごめんなさいの言葉の意味を考えた。

庭を走り抜け、廊下を横切り、奥の本堂でへたり込む。

座禅を組み、ざわざわと胸の中に吹き荒れる欲望を必死で押さえ込もうとした。

理性で律しきれない感情があるなんて……。

ハルナ、君に出会うまで僕は知らなかった。



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