【完】午前0時日付が変わっても
廊下の窓から暖かい風が入ってきて、揺れたスカートが手のひらに当たる。
う、わぁ…
何を叫んでるの私は〜っ
好きな人を目の前に、こんな強い調子で言うつもりなかったのに。
ぎゅっと握りながら、響き渡った自分の声に今さら恥ずかしくなった。
「…千景くん、あのー…」
「好きな人いる、ねぇ。どういうつもりで彼女にしろって言った?」
目線を合わせるように、千景くんが少しかがむ。
近づく距離。
まっすぐに覗き込んでくる目。
おかげで少しも動けない私は、その瞳に惹き込まれる。
熱くなる頬はきっと今すごく赤い。
千景くんは簡単に人の体温まで上げちゃうんですか。
「おまえ俺のこと好きじゃねーんだよな?」