【完】午前0時日付が変わっても
不意打ちだ、と言いたげに目を丸くする千景くん。
でもすぐ、呆れたような顔になった。
「愛生、おまえ俺のこと、好き?」
「私の好きな人は、ずっと千景くんなんだよ」
「だから……俺は誰にも本気になんないってさっきも」
「私を彼女にしてみないとわかんないでしょ!」
ぎゅっと掴んだままの手が小さく震えてる。
こんな必死になることも、衝動のままに動いちゃうことも、慣れっこじゃない。
千景くんだから。
千景くんが、好きだから。
誰にも本気になれないと思ってる千景くんに、はいそーなんですか、じゃあ諦めます…って。
なれるわけがない。
揺るがない気持ちなんだもん。
千景くんの一番近くに私がいてあげたいんだ。