【完】午前0時日付が変わっても
「はぁ……同居トラブルとか絶対無理なんだけど。別れたら俺が出てかねーとなの?」
「な、なんですぐに別れる前提なの…っ?」
無表情で言う千景くんは私が動揺したのを見ても本当にひとつ表情を変えない。
ここで弱気になったら、もう千景くんには相手してもらえなくなる。
他の子にとられるなんて嫌。
私の“好き”もちゃんと届くことなく終わってしまうのは嫌だよ!
「千景くんを本気にさせてみせるよ!」
「泣き虫愛生だったくせに……今ではそんなこと言えんのかよ」
すげーな、なんてぼそりとつぶやいて小さく笑う。
だけど、その目は全然笑ってなくて。
私に全然期待してないような顔。
愛生も他の子と一緒なんだろ?
本気で好きになるなんて、俺には無理なんだよ。
そういうふうに見えて仕方ない。
そんな最初から諦めないでよ。
私のこと少しは期待してよ。