【完】午前0時日付が変わっても
「千景?」
近くから聞こえた声に私も呼ばれた本人も視線を向ける。
誰だろ……この女の子は。
「すごい久しぶりだね。元気?」
「おー、こんな所で会うとは思わなかった」
「あたし、引っ越しして高校もこっちなんだ。千景ここら辺に住んでるの?」
「いや、今日は買い物しにきただけ」
突然会話を始めるから私はどうすればいいのかわからない……。
おとなしくじっとしてるけど…。
「彼女?」
「そう」
「はじめまして! 深山 渚(みやま なぎさ)です。よろしくね!」
突然、視線がこちらに向けられて、
気を緩めていた背中がピンとなる。
「あ、はじめまして!百瀬愛生です」
「じゃあー…ももちゃんだね! へぇー、千景のタイプとはかけ離れた感じだけど……あんた好み変わった?」
…え。
それ私の前で言いますか…?
口角をなんとか保ったまま、チラリと千景くんに視線をやる。