【完】午前0時日付が変わっても
「騙されたなー。俺がここに越して来た日、好きなのかって聞いたら愛生どーしたっけ?」
「それは……反射的に」
何気なく見た千景くんの唇に視線が止まる。
と同時に思い出されるのはあのキスのこと。
どんだけ強く記憶に残っちゃってるんだ私……。
「あの、千景くん、聞いてもいい?」
「なに」
「……深山さんは特別な人?まだ好きとか?」
「は?だから、あのキスは」
「千景くんお別れした人とはもうしゃべったり関わらない…って、深山さんが言ってた」
「いつ」
「飲み物買いに行った時、会って、ちょっと話した…」