【完】午前0時日付が変わっても
「言ってる意味、わかる?」
…熱い。
千景くん独特の甘さを含んだ声に顔が火照っていく。
見下ろしてくる千景くんの目が、愛生にできんの?って言ってるみたい。
うっ…
なにもかも未経験な私が千景くんを満足させてあげることなんて……できるの、か?
ど、どうする?
「千景くんっ、キスしたい」
「急に?」
「ダメ?」
「んー……」
けっこう勇気を振り絞ったんだけどな……!
じわじわと恥ずかしくなってきた。
千景くんの視線に耐えきれない……っ
お風呂行くって言って逃げよう、ここは。
「愛生」
「わ、私……っん、」
振り返った瞬間、ふっと距離が縮まって。
言葉を飲み込まれるように千景くんの唇が重なった。