【完】午前0時日付が変わっても



そして、お昼休み。




「みんな行こっ!」




4時間目が終わった瞬間、すぐに教科書を片付けてお弁当を手に立ち上がった。



「お?おー、ちょい待ち……いま財布出す」


「お腹空いたね〜」




前園くんと聖菜ちゃんが私の元気すぎる声に少しびっくりしていた。



後ろの席の千景くんにも「早く行こ!」といつも通りに話しかける。




「うん」



千景くんも普通の返事。


よかった。無視はされなくて。


よしっ、じゃあ行きましょうー…っと、



「っ、わ…」


「なにふらついてんだよ」


「ちょっとバランス崩しただけ、あはは…」


「…足腰弱」



急に向きを変えたからなのか、ふらりと視界が揺れる。



トンと千景くんにぶつかって、軽く背中を支えてもらった。


< 220 / 416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop