【完】午前0時日付が変わっても


近距離に顔があることを感じてピタリと動きを止めた。



そんな私に気づいているのか、ないのか。


お構いなしに腕を伸ばしてノートのページをめくっていく。



あの、近い。


近いよ、千景くん!




「私がノート書いてあげよっか?」


「じゃあ私はべつの教科を!」




わああ、待って急にみんなが集まって来た!


千景くんのノート争奪戦これから始まるっぽい……?



当の本人は「あー…どうしよっかな」なんて曖昧な返事で。



ちょっと千景くんっ?


本気で人にやらせようって思ってるわけだ。


ノートぐらい自分で写しなよ。



…そう思うんだけど、仕方ないから今回はやってあげましょう。



彼女だし!


他の女の子にお世話になるのも申し訳ないし!




「わかったよ。私やります!」


「だそうです。皆さんありがとー」



千景くん、その笑顔はずるいって。


< 241 / 416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop