【完】午前0時日付が変わっても
「俺は執着心とか独占欲とか、そういうのない…はずだった、んだけど…」
だんだんと声とともに視線も下がっていく千景くん。
自分で言ってるのに自分でも信じられないみたいな、うまく伝えられないみたいな表情。
こんな姿みたことない。
「それは、少しでも私のこと……」
「ーー違う」
被せるように否定してきた。
その頬に触れていた手を引っ込めると、
千景くんがハッとして顔をあげる。
また、チクリ。
こんな小さなことでも反応してしまうって。
千景くんに対する好きが積み重なっていくと同時に
こんなやりとりを続けて千景くんの隣にいれば、この痛みも募ってゆく。
どちらが多くなっていくのかな。