【完】午前0時日付が変わっても
「なんなんだろう、私たち」
彼女なのに、彼氏に本気になってもらえない彼女。
ぽろっと出たひとりごとが深刻な声色だと自分でも思った。
千景くんは、特に答えてくれるわけでもなくただぎゅっとしてくれた。
もうほとんど涙は止まってくれたけど、また込み上げてくるものがある。
千景くんと私。
ほんと、なんなんだろうね?
「千景くんって謎。意味わかんない」
「あっそ」
「私のことどう思ってる?」
「…考えてる、愛生のこと」
考え中だって。
まとまらない言葉でもなんでもほしいのに。
最初から期待しかしてないんだから、こんな時でも期待してしまうの。
その分、勝手に傷ついてしまう。
「ちゃんと聞かせてね、千景くん」
千景くんが本気になる子は私がいい。
ずっと、ずっとそう思ってる。