【完】午前0時日付が変わっても


いつも癒されるような声の高さや口調で男子人気を誇るあの丸山さん。



今、すっげー低い声で言い捨てて電話を切りやがった。




「甘えっこ…?」




しばらく画面を見つめていると今度は丸山さんから直でメッセージが送られてきた。


さっきは大志のやつから通話してきたのに。



開いてみると出て来たのは写真。


愛生と……市橋か、これ?




「……へえ、仲よさそうじゃん」



これ見て焦ってればいいとでも思ってんのかな丸山さんは。


そうっすねー


これ見て思うことなー…



愛生は俺じゃないほうが、幸せにしてもらえるよ。



だから、さ。


もう俺のことばっか見てんな。



「ーー……っあーあ」



スマホを放り出し、ベッドに倒れ込む。



突き放すような言葉が出て来んのに、矛盾する思いも出てくるようになった俺は、なにがしたいんだか。



前までの自分と明らか違ってることは自覚してる。



俺だって一応これでも混乱してる。


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