【完】午前0時日付が変わっても
「ふられても好きでいようって思ってるんですけど……やっぱり期待してる分だけ勝手に落ち込むこともあって」
「うん」
「……振り向いてくれないなぁ……千景くん」
先輩にこんなこと言ってもなひとり言をつぶやく。
それでもしっかりと相づちを打ってくれる先輩。
その優しさに私は甘えてしまう。
ひとつ年上ってだけで千景くんや聖菜ちゃんといった同級生よりも大人に見える。
「好きな人に好きになってもらえる人が羨ましいです」
下を向いたその瞬間、ぽたりと太ももに乗せていた手の甲に雫がこぼれ落ちた。
「……ごめん。抱きしめたい」