【完】午前0時日付が変わっても
「今日はわざわざありがと。電話とかメッセージのやりとりで終わらせることもできたのに、直接会って……丁寧にありがとう」
「私のほうこそ、貴重なお時間もらっちゃって…」
「そんなかしこまんないで。なんか、さらに距離感じて寂しくなるじゃん」
あ……間違えた、かな?
寂しい思いを与えたいわけじゃない。
困惑する私に先輩が一歩近付いて、ニコリと笑み一つ。
瞬間、次にはもう私はくるりと肩を回されて先輩に背中を向けて立っていた。
視線の先には千景くんがスマホをいじりながら立っているのが見える。
「百瀬さんが幸せなら俺も嬉しい。本当かよって思うだろうけど……まぁ先輩に最後ぐらいカッコつけさせて!」
「せん、ぱい」
「久々に誰かを好きだと思うことができて楽しかったよ俺」