【完】午前0時日付が変わっても
「お待たせ。今日スーパー寄って帰る?」
「あ…だね。卵買い忘れないようにだよ」
5分もかからないで千景くんは戻ってきた。
チラッとさっきまでいた場所を見ようかと思ったけど、やめる。
最後まで笑顔を向けてくれる先輩を大人だと思う。
「愛生。もう先輩のこと考えるの終わり」
赤信号でちょうど止まった時。
横からぐいっとほっぺをつねられた。
千景くんの声とともに頰に伸びてきた手が容赦なく痛みを与える。
「いっ…ひゃい…!」
いたいよ、千景くん!
悲鳴をあげるとすぐにぱっと離してくれて。
痛みからはすぐに開放してくれたけど、衝撃がすごい。
そんな思い切り引っ張ることないじゃん!?
「千景くんっ!」
「はいはい、仕方ねーな、なんでも言うこと聞いてやるから落ち着けって」
「……なんでも? じゃあ手繋ぎたい」