【完】午前0時日付が変わっても


リビングを出ようとした千景くんを思わず私は引きとめてしまった。



「やらん」



そう、一言。


ですよねー……。


はぁ、千景くんを引きとめるの失敗。


でも、きっと宿題をしてれば気が紛れるよね。


ひとりでも平気……。



「今日はやけに話しかけてくるじゃん」


「そうかな?」


「そんなにかまってもらいたいの?」



口元に意地悪な笑みを浮かべてそんなことを言う千景くん。



500mlの水が入ってるペットボトルを持って、私の前に座った。


テレビをつけて、適当にチャンネルを回している。


私がひとりでいたくないってこと、気づいてくれたのかな……?



そんなわけないか。


千景くんだもんね。



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