昨日の友は今日の恋人!?~甘い視線で迫られて~
非常に怪しい。

会ってからこのお方、ずっとヒトを弄って笑ってる。

私の落ちた顔をツマミにしてるとしか思えない。


「今年になって何人目だよ、3人?4人?」

「1人ですっ」

「そんなもんだっけ? ああ、去年は年末だったもんな。あれは、今年にカウント出来ないか」

怨みがましく奏多を見れば、憎たらしい位に形の良い大きめな口元を、きゅっと上げた。

「うぅ、やめて。傷口が開く」

私が胸元をギュッと押さえると。

「ははは、嘘ばっか。お前の切り替えの速さはピカイチじゃん」

嫌味を混ぜるのも忘れずに、また笑い始めた。


……人の傷口、勝手に舐めやがってぇ。

確かに数は多いかもしれないけれど。

恋が始まる前に。

キスすらしないで終わる恋だってあるんだから。


「そういや、会社の男ってパターン聞かないな」

「会社は妻子持ちばっかりだもん、不倫は嫌だし。新卒の男の子は鑑賞するのは可愛いけど、流石に7歳の差は私は無理」

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