昨日の友は今日の恋人!?~甘い視線で迫られて~
就職活動に上手く乗れず、ようやく勤めた小さな土木設計の事務所。仕事は嫌いじゃないけれど、恋愛の芽生える要素は皆無。

真面目に仕事を熟していくのみの毎日だ。

これがまた傍目からだと、私はクールな大人の女に見えるらしい。

このギャップが別れの原因にもなると気付いた今日この頃。

別れ間際に言われる言葉はいつも同じ。

見た目のイメージと違う、気持ちが重い。……もっとサッパリしてると思っていた。

そんなにサッパリした付き合いがしたかったら、彼女なんて持つなっていうの。


「なるほど。それで年甲斐も無く、三崎に合コンのセッティングを頼もうとしてたのか」

「違う。桜じゃなくて桜の彼氏」

「どっちでも変わんないね。……失恋の傷は男で癒すって?」

奏多は私の手から最後のエイヒレを横取りして、七味たっぷりのマヨネーズに浸した。

「そんな安上がりな出会いばっかりしてるから、いつまでも落ち着かないんだろ?」
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